手書きの遺言書(自筆証書遺言)は、家庭裁判所で内容確認の手続き(「検認」といいます)が必要です。
検認とは、遺言書の形状・内容が法律に沿っているかを確認する手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
つまり、偽造・変造の争いは検認した後の問題となります。
ちなみに、公証役場で作成された遺言書(公正証書遺言)は、検認は不要です。

具体的には次のような流れになります
①必要な戸籍を収集する
②家庭裁判所に検認の申立をする
③期日(家庭裁判所に呼び出される日)が決まる
④相続人全員に期日が通知される
⑤期日に相続人が集まり、検認の手続きがされる
⑥検認済証明書を申請する(遺言書の内容によっては、この時に「遺言執行者選任申立」をする)
⑦遺言を執行する

②から③まで2~3週間くらい、③から⑤まで1か月くらいが目安です。

申立の際に、遺言書は提出しません。期日に持参します。
よって、申立人は必ず出席しなければなりません(申立人が遺言書を持って来てくれなければ、検認が始まりません)。
そのため、期日を決める際には裁判所がある程度都合を聞いてくれます。
その他の相続人には都合を聞いてくれません。一方的に期日が通知されます。したがって、都合が悪かったり、立会を希望しない場合は欠席しても構いません。
欠席したからと言って、何か不利益が生じることもありません。期日に相続人が呼び出されるのは、裁判所が遺言書を開封して中身を確認する作業に立ち会ってもらうためです。
欠席した相続人には「検認済通知書」が郵送されます。

なお、検認する前に開封してしまうと科料を課せられます。これは、遺言書の改ざんを防ぐための措置です。手書きの遺言書を見つけたら、絶対に開封しないでください

当事務所でも検認申立のご依頼を承っておりますので、お気軽にお申し付けください。

 

裁判所|遺言書の検認
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_17/